仕事の魅力から会社を探る
株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ

シン・クライアント化のための調査を開始
「全職員のパソコン4000台を、シン・クライアント端末に切り替えたい」それが和歌山県庁からの要望だった。
「富士通をはじめ、国内ではかつて行われたことのない大規模なもの。現地では対応しきれないということで、セキュリティをキーワードにビジネスを進めるSSL(富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ)に声がかかったのです」(石津昌弘)。
個人情報保護法が施行され、住民の情報保護に対する意識は高まっている。そこで、ウイルス対策や情報の漏洩防止など、より一層のセキュリティ対策を図りたいと提示されたのが、全職員のパソコンのシン・クライアント化だったのだ。シン(Thin)とは、“薄い・やせた”という意味で、端末にハードディスクやフロッピーディスクなど記録装置を置かず、OSやアプリケーションの動作、データの保存はサーバ側で行うというもの。これならデータが漏洩したり、ウイルスに感染したりする心配がない。
2003年10月から早速、石津たちが調査を開始した。本当にこれだけの規模で使うことができるのか。シン・クライアント導入にあたっては、他にどんなシステムや管理が必要となるのか。たとえば個人認証にICカードを使った場合、システム全体との連携はうまくいくのか。半年をかけ調査を行い、2004年6月、一般競争入札を経て、受注に成功する。
富士通の各部署やグループ会社と協力し、全体を取りまとめる

石津 昌弘氏
セキュリティソリューション本部
クライアントセキュリティ部
担当部長
システムでは、既に一人一台が配備されているパソコンをそのままシン・クライアント端末として活用。職員は職員証と兼用になっているICカードをリーダーに差し込み、パスワードを入力することで、端末を立ち上げることができるようになっている。4000台のクライアントは、75台の「PRIMERGY」ブレードサーバで管理され、NAS(ネットワーク・アタッチド・ストレージ)によってストレージの「ETERNUS」につながれている。また、端末は庁内で使われる様々なアプリケーションやプリンタに対応させるため、シトリックス・システムズ・ジャパン社の「MetaFrame」で動作させている。
プロジェクトでは、もともと和歌山県庁を担当していた富士通関西システムズや、富士通株式会社のMetaFrame、NAS、ICカード、認証のためのActive Directoryなど各部隊がそれぞれの開発を担当。全体の取りまとめをSSLが行った。
「2人いたプロジェクト・マネージャーの1人として技術的な部分を担ったのですが、大きなプロジェクトで、様々な会社や部隊の人たちを率いるということでワクワクしましたね」(大場仁)。
プロジェクトに若手を積極的に参加させる

大場 仁氏
セキュリティソリューション本部
クライアントセキュリティ部
主幹エキスパート
システム構築にあたっては富士通の各専門部隊の協力を得て、2004年10月にシステムを完成させ、その後順次導入を開始していった。しかし、導入後に、アプリケーションによっては正常に動作しない、アクセスの負荷により遅延が発生するなどの問題も発生。大場たちはそれら一つひとつの対応に追われた。
「導入当初は週3~4回、1ヶ月連続で和歌山県に行っていたこともありましたし、トータルすれば100回は通っているのではないでしょうか」(大場)
シン・クライアントシステムの特徴として、ユーザデータはNASに集中することになる。NASのユーザデータを守るために導入したウイルス対策ソフトが高負荷に耐えられえず、これでは移行できないという状態に追い込まれたこともあった。最終的に方式を見直し、課題を解決した。
SSLの強みは、「信頼と技術で応えるSSL」をコーポレートメッセージとして、最先端の技術を駆使し、信頼性の高いシステムを提供できるところにある。だからこそ、今回のようなまだ誰もやっていない先端的なプロジェクトも、“SSLなら”、ということで任されるのだ。今回の事例に関しては、和歌山県に全国の自治体から視察に人が訪れており、「そういった業界の代表的な事例となるプロジェクトに携われるのは、技術者にとって大きなやりがいになる」と大場。そして「SSLではプロジェクトに若手を積極的に参加させるようにしており、早いうちからものづくりの現場を経験できる」(石津)。
というのもまた、若手には大きな魅力となっているに違いない。
富士通グループ各社の活躍
株式会社富士通関西システムズ
関西エリアを始め、グローバル市場のあらゆる業種のお客様にソリューションを提供する企業。
もともと和歌山県庁と取り引きがあったため、今回の案件では、クライアントニーズの把握、綿密なリレーションの構築を行うという役割を果たし、プロジェクト成功の一翼を担った。

